【旬な話題を訊くVol.11】コロナ禍のWFH需要拡大で 企業の「デジタル化」をサポート

今回お話を伺ったのは……
ORIX Leasing Malaysia Berhad President
佐藤 文彦氏
日本最大級の多角的金融サービス企業のひとつ、オリックス(ORIX)。プロ野球球団を保有していることで有名な同社だが、マレーシアでは現地法人ORIX Leasing Malaysia Berhad(OLM)が国内で最も歴史を持つリース会社として運営を行っている。新型コロナウイルスの感染拡大で、厳しい行動制限が行われて来たこの危機にどう立ち向かったのか。同社の業務内容と共に、足元のコロナ禍対応についてお話を伺ってみた。


マレーシアへはいつから
進出しているのですか

1964年に日本で創立したオリックスは、1971年に海外進出を果たしました。マレーシアにも1973年に進出しましたから、再来年で50周年を迎えることになります。現在の業容はマレーシア国内に19拠点、シンガポールに1拠点を持ち、650人の社員が働いています。

「ほかにはないアンサーを。(Answers, Custom Fit.)」をスローガンに、大きく分けて3つの事業に携わっています。メイン事業である法人向けファイナンス事業は建設機械・設備をはじめ、PCなどIT関連機器、オフィス設備、商用車、医療機器など幅広い分野のリースとローンを取り扱っています。2つ目の軸は設備類のレンタル事業ですが、これはオフィス向けのICT機器やシステム、OAに関わる分野のレンタルを行っています。そして3つ目は車のレンタル・オペレーティングリース事業となっています。

顧客マーケットについて
教えてください

お客様の大部分は地場の中小企業(SME)ですが、車のオペレーティングリース等については、日本を含む世界から進出している多国籍企業や地場のGLCと呼ばれる大企業も数多くあります。これは商品ごとにお客様のニーズが違うからです。たとえば車のオペレーティングリースの需要は多国籍企業からで、建設機械の需要は地場のSMEといった具合です。

オリックスは日本にルーツのある企業ですが、マレーシアでは早くから現地化を進めたこともあり、こちらに進出されている日系企業様向けのビジネスは営業全体に占める割合でいうと多くありません。

コロナ禍で顧客の要望に
変化はありましたか

デジタル機器リースの需要が増えました。マレーシア政府が「活動制限令(MCO)」を導入したことで、企業は「WFH=Work from Home」を実施する必要に迫られ、WFHをするためには、社員にデジタルインフラを提供する必要があり、その際にリースを活用されたからです。

そのような状況なので、現在はデジタル機器が品薄になっていますが、我々はこれまでのサプライヤー様との良好な関係を活かして、各種のPC本体、サーバー、ワークステーション、プリンター、計測用機器など幅広くタイムリーに提供することができています。

デジタル化の推進は私たちの「未来志向」の考えにも合致します。顧客の皆様へのサポートを行いながら、互いに新たな形態での業務への取り組みができれば、より望ましいのではないでしょうか。

コロナ禍にはどう対処したのでしょうか

昨年3月に突然MCOが導入されたときには、誰ひとりとしてどうしたらよいのかわからない状態でした。そこでまず社内に「Covid-19委員会」を設けました。その目的は「社員の安全確保」、「事業の継続」、「ガバナンスの徹底」です。

この目的に沿って、コロナに関する情報をすべてここに集めて、問題が起きるとすぐにオンラインでメンバーが集まり、その場で即断していきました。政府の発表が錯綜していたり、告知がマレー語で通訳に相違があったりする中で、判断に迷うことも多々ありましたが、きちんと解釈をして、社員全員で共有することにより、社内運営はうまく機能しました。

今後どのような戦略を
実践していくのでしょうか

3つあります。

1つ目は、昨年1年間で傷んだものを修復して次のステップにつなげていくこと。これには困難に直面しているお客様へのサポートも含みます。我々は様々な形でコロナの影響を受けているお客様をサポートしてきました。当初は弊社単独で行なっていましたが、現在は政府と共同でサポートする体制を検討中です。

2つ目はデジタル化です。デジタル機器を活用し、効率的なWFHを推進することでオフィススペースを減らしたり、将来のためのデジタルビジネスをいくつか立ち上げています。立ち上げには複数の部門が関わるので、部門間に横ぐしが入り、時節柄オンライン上ですが、社内は非常に活気があります。

3つ目がESG、SDGsへの取り組みです。言葉やコンセプトについては皆理解していますが、真のグローバル企業として、事業を通じてどのように社会へ貢献していくのか、まだまだ考えるべきこと、やるべきことがたくさんあります。

先日、他社が持つカーシェアのプラットホームを使って、弊社で余剰になっている車の貸し出しをやってみたのですが、普段は地味に車の整備をしていたワークショップのスタッフが「自分の修理した車がスマホに載っている」とうれしそうに話し、更に「カーシェアは環境に優しくESGやSDGsの推進になる」と周りの人に説明しているのです。社内のあちこちでこのような雰囲気ができていくのはとてもうれしいことです。

すべては「トライアル&ラーン」ですが、コロナという時期だからこそ、新たな視点でビジネスを作り上げていきたいと思っています。


ORIX Leasing Malaysia Berhad
No. 8, Jalan Kerinchi, Bangsar South, 59200 KL
TEL:03-2632-7000

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