
外国人の購入対象は四千件弱 住宅不動産の購入下限額引き下げで
先に発表された2020年度予算案で、外国人が購入可能な住宅不動産の下限額が100万リンギから60万リンギに引き下げられた。都市部にある売れ残り高層住宅を売却するための期限付き措置だが、これに伴い外国人が購入可能となる物件数は全国で4000軒弱となることがわかった。なお、新規建設の物件は対象にならない。
リム・グアンエン財務相によると、来年1月1日から12月31日までの1年間のみの措置になるという。都市部の高層住宅は第2四半期(4〜6月)現在、資産価値にすると総額82.8億リンギ相当が売れ残っており、これらの売却を期待する施策となっている。
マレーシア国家不動産情報センター(NAPIC)が今回公表したレポートによると、外国人が買える「評価額60万リンギ以上の売れ残り高層住宅物件」は3938戸で、総資産価値は48.5億リンギになるという。
NAPICは各州別の売れ残り物件の資産価値総額を公表している。最も多いのがクアラルンプールで20.5億リンギと最も多く、ペナン州、ジョホール州、セランゴール州、サバ州と続く。
今回発表された外国人向け購入下限額の引き下げは、各方面に驚きを持って迎えられた。一方、施策の対象は「建設済みのアパートメントかコンドミニアム」となっているが、実は「サービスアパートメントとSOHO(オフィス兼住居ユニット)」に極めて多数の売れ残り物件があることが判明。これらの全てを総計すると、売れ残り物件数は全国で1万9856件、総資産価値として153億3000億リンギに達しているという。
ペナンの下限は80万リンギに
ペナン州政府は外国人が購入可能な不動産価格の下限額見直しに関し、連邦政府決定より20万リンギ高い「独自に最低額を80万リンギと設定する」旨を発表した。
また、期限付き措置も半年にとどめるとする意向を示している。
なお、連邦政府のズライダ・カマルディン住宅地方自治相は先に「それぞれの州の状況により、州政府の判断で独自規制を設けてもよい」とする方針を述べている。