19年の通年GDP、4・3%増 前年より減速=予想も下回る
中央銀行バンク・ネガラ・マレーシア(BNM)はこのほど、2019年通年の国民総生産(GDP)が4・3%増だったと発表した。前年の4・7%増から減速した格好だ。政府やアナリストらの事前予想を下回り、リーマンショック以降で最も低い伸び率となった。米中貿易摩擦による外需の低迷に加え、内需の縮小により民間消費が伸びなかったことなどが影響した。
第4四半期(10〜12月)は3・6%増だった。
第4四半期GDPの詳細を見ると、民間部門の支出7・4%、個人消費8・1%。民間投資4・2%がそれぞれ増加している、一方、第一次産品セクターで供給停止があり、これが通年の成長率の減速という結果に繋がっている。これについてアナリストらは「供給停止がなければ、通年の成長率は同行が目標としていた4・7%増に達していただろう」との見解を述べている。
第4四半期のインフレ率は1・4%で、売上サービス税(SST)の廃止後、緩やかに減速、安定していると指摘した。
今年の見通しについて、ノル・シャムシアBNM総裁は、「新型コロナウイルス感染拡大の影響は逃れられない」とした上で、第1四半期(1〜3月)は、観光業や飲食業、小売業、輸送などへの悪影響が起こると予想。どのくらい影響するかについては流行期間や範囲によるとした。経済成長は家計支出と民間投資が牽引するが、新型コロナウィルスの先行きが不透明で下振れリスクもあるとしている。また、2020年通年のインフレ率については2019年よりも高くなると予測している。