
サイバージャヤで実地検証を実施 NTT、スマートシティの構築で
NTTは1月29日、スマートシティ実現に向けた取り組みについて、総務省2019年度事業「マレーシアにおける社会課題解決のためのスマートシティモデルの構築に関する調査研究」の一環として、マレーシア現地のステークホルダと連携しマレーシア・サイバージャヤ地区におけるアジア初の実地検証を今月より開始すると発表した。
この事業はすでに、米ラスベガスを皮切りに展開しているもので、この実地検証を通じて、NTTグループが米国で培ったスマートシティ分野における技術・ノウハウによるアジアでの社会課題解決の可能性を検証するとともに、持続可能なビジネスモデルの構築をめざす。
この実地検証の背景について,NTTは「安定した経済成長を続けるアジア諸国においては、交通渋滞や環境問題等、経済成長に伴う様々な社会課題が顕在化しており、ICTを活用した課題解決策に対する期待が高まっている」とした上で、マレーシアはマハティール首相がかつて提唱した東方(ルックイースト)政策により、日本と友好的で互恵的な二国間関係を築いてきた背景があり、「日本企業がグローバルで培った技術やノウハウを活用し、社会課題解決や経済発展に貢献することへの期待は非常に高い」と位置付けている。
サイバージャヤは、マルチメディア・スーパーコリドー(MSC)の中核都市としてICT企業が多く集結している。昨年より5Gの試験運用が実施されるなど、マレーシアにおけるスマートシティ構想の先行検討エリアとなっている。
NTTはサイバージャヤに1997年、グループ会社NTTMSCを設立して以来、このエリアにおいて積極的に投資及び事業展開を行い、同国の技術発展に貢献、現地のステークホルダと永年に渡る強固な関係性を構築している。
今後、マレーシアが抱える社会課題解決の可能性や持続可能なビジネスモデルの構築について、現地のステークホルダとともに検討することにより、ICTを用いたスマートシティによる市民の生活満足度改善や都市の持続可能性向上をめざす。
実地検証の期間は3月までを予定。実地検証実施支援をはじめ、ステークホルダ調整、ビジネスモデル構築支援のために現地テックハブディペロッパーのサイバービューが参加するほか、アロ(Allo)がインフラ事業者として実地検証における光ファイバー回線のインフラ提供を行うことが決まっている。