廃車リサイクルで調査 九州メタルなど5者共同で
西日本鉄道(西鉄)傘下の九州メタル産業(本社・福岡県北九州市)は7月9日、マレーシアにおいて「マレーシアにおける廃自動車の完全再資源化事業 放置自動車対策からのリサイクル事業の創出」と題する調査の実施について発表した。
これは、マレーシアセランゴール州において現地企業との合弁で自動車リサイクル企業を設立し、廃自動車の破砕、選別・回収、原燃料化利用、金属の再資源化等のリサイクル事業の可能性を調査するもの。同社が実施主体となっているが、その他共同実施者として北九州市、アズサエスイー&イー、エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所、そして現地のBPJベルジャヤが参画している。
この事業は、日本の環境省の公募事業のひとつとなっており、世界規模での環境負荷低減と日本経済の活性化を目的に、循環産業(廃棄物処理・リサイクル)分野での先進的な技術を有する日本企業の海外での事業展開促進を図るものだという。マレーシアは、人口当たりの自動車普及率が東南アジアでもトップレベルだが、路上などへの放置自動車が大きな社会的課題となっている。
九州メタル産業は、同社の持つ廃自動車のリサイクル技術やシステムをマレーシアに導入、事業化することで、同国の抱える課題の解決および同社のビジネス拡大につなげることを目指している。
具体的には、現地企業であるBPJベルジャヤと九州メタル産業との共同出資による自動車リサイクル企業の設立に向け、他の3者と連携しながら、事業化の実現可能性を調査する。予定では今年度中に調査を完了した後、2021年度までに事業化準備、2022年度の事業スタートを目指す。