
「政党渡り鳥禁止法」、超党派で作成検討へ-2020/08/20
下院議会の与野党は8月18日、政党の党籍を変える議員が絶えないことからこれを禁じる法案作成の超党派グループを結成した。
このグループの代表となったのは統一マレー人国民組織(UMNO)のモハマド・ナズリ元観光相。専門家や非政府組織(NGO)などの意見も討議しながら6カ月後をめどに報告書を下院議長に提出する。
ナズリ氏は「政治的な不安定要因は、議員が政党を移籍するため」と指摘。「この問題は今に始まったことではなく、すでに30年にわたり問題となっている」とも語り、何かしらの解決策を出したい考えを示した。
1992年に最高裁にあたる連邦裁判所が「基本的人権を鑑みると、議員の政党移籍を禁じることはできない」と判断しているものの、同氏は「政党の移籍を禁止する何らかの解決策は示したい」との意欲も示した。
ナズリ氏と同じ会見に出席し、このグループのメンバーとなるアンソニー・ローク前運輸相も「選挙を経て国民から付託された後、政党を勝手に移籍できないようにしたい」と述べ、現行の選挙制度の改善のため最善の解決策を出したいとしている。
これまで地方議員も含めて政党を離党して他政党に移ってしまう例が多いため、地方議会からも同様の法案を求める声があがっていた。最近の例では先にサバ州議員が離党したため、州政権が覆されそうになり、州首相は議会解散権を行使した。