ホームインタビュー“世界中の駐在妻がつながれば、 駐妻期間=キャリアブランクではなく、 「良きターニングポイント」にするヒントがきっと見つかる”
“世界中の駐在妻がつながれば、   駐妻期間=キャリアブランクではなく、   「良きターニングポイント」にするヒントがきっと見つかる”

“世界中の駐在妻がつながれば、 駐妻期間=キャリアブランクではなく、 「良きターニングポイント」にするヒントがきっと見つかる”

2024.02.01 特別インタビュー


主宰されているコミュニティについて教えてください。

自身のキャリアについて考える、駐在妻のコミュニティです。
メンバーは現在15ヵ国75人で、ワークショップをしたり、自己分析をしたりする中で自分の人生を見つめ直す活動を行っています。世界中の駐在妻がつながって幅広い情報や考えを共有しあうことで、駐在期間を良きターニングポイントにするヒントを得ることができると考えています。

コミュニティを始めたきっかけは?

私自身が駐在妻で、5年前にタイで帯同生活をスタートさせたのですが、その際に自分のアイデンティティが大きく揺らいだことがきっかけです。

最初は海外生活をエンジョイしている自分を装っていました(笑)。でもそれも3ヵ月くらいまで。子どもが幼稚園に行き始め、夫は海外で仕事をとそれぞれ頑張っているのに、私だけ日本で勤めていた会社を辞め、キャリアも捨て、ただ家にいるという状態。何もない自分になってしまったように感じて自分に価値を見い出せず、どん底の中でただ焦る、という時期がありました。

その経験から駐在妻の方が同じように悩み、遠回りして苦しんでほしくないと思いコミュニティを始めました。 

“ただ焦る”状態から、“活動”へとシフトはどのように?

タイ在住時、友人の誘いで日本のキッズコミュニティ(オンライン)に参加しました。時間もあるので運営のお手伝いをすることになり、会議に参加した時のこと。運営メンバーはフリーランスで活躍されている方が多かったのですが、皆さんしっかり自分の得意不得意を認識されていて、好き嫌いで物事を判断する場面も。

これまで経験してきた企業での会議の進め方とは全く異なり、衝撃的で、「どうして皆さんは自分の思いを表現し、得意なことが明確にわかっているのですか?」と尋ねたところ、ある起業家の方に「自己内観が足りないのでは?」と言われて。確かに、<自分はどう生きたいのか>がわかってないなと。そこから、何がしたいんだろう?何をやりたくないんだろう?というのをノートに書くようになり、コーチングの講座も受けながら心の声と向き合い始めました。タイで生活を始めてちょうど1年ほど経った2020年のことでした。

すると、これまでの自分の価値観は、借り物の価値観だったということに気づきました。私は育った環境から、いい学校、いい会社、安定がベストという思考で生きてきたので、どう生きたいかは考えてこなかった。どう生きたいかを考える中で、<自分が今できていること>に目を向けたことで、現在の活動につながりました。 

日本でもキャリアに関する仕事をされていたのですか?

いえ、会社ではマーケティングを担当していました。キャリアに関心を持ったのも、前述のキッズコミュニティがきっかけです。運営メンバーに教育を学ぶ女子大学生がいて。就職活動について相談を受け、面接練習などを手伝いました。結果、その学生が第一志望を含む多くの会社から内定を獲得。経験に気づきをあげることで人生に意義を見出し、こんなにも喜んでもらえるのかと!やりがいを感じました。日本の女性はどうしても自分を卑下しがちです。だからこそ応援したいですし、私自身もこの経験から、これが今、私ができていることだと気づくことが出来ました。

その後2021年になって、タイ在住の日本人の友人から、帰国後の仕事について頭の整理に付き合ってと頼まれました。その方はインフルエンサーとしても活躍されていて、SNSに「話をしたらスッキリ。相談したい方はAiさんへ」と投稿してくれたんです。私自身はその時はまだ何の用意もしてなかったんですが、いきなり18人からDMが届いて。こういうのが、人生を好転させるんですね。相談を受けるならばちゃんと勉強もしなくてはと思い、そこからキャリアコンサルタントを目指し、昨年の夏に国家資格も取得しました。

キャリアに悩む駐在妻の方へのメッセージをお願いします。

少しずつですが動いてみて思うことは、とにかく<やる>

子どもがまだ小さいから、日本に帰ったらではなく、今、少しでも何かすることで、着実に変化が生まれます。そして、子どものためにと我慢せず、今、少しでも自分を満たせることから満たしていく。キャリアを築くとは、大きなことではなく、そういう小さな積み重ねではないでしょうか。

駐在期間の余白の中でこそ、気づけることもあります。「環境」が自分を苦しめるのではなく、自分の「ものの見方」が苦しめていませんか?ただのブランクと思って否定的になるのか、何かの学びを得て主体的に楽しむのかは自分次第です。苦しまず、生き生きと自分の人生を生きてほしいと思っています。 

Aiさん
広島県出身。大学卒業後に10年以上勤めた会社を辞め、2019年~2022年まで夫の帯同でバンコク在住。
2022年からクアラルンプールで暮らす。これまでの相談は250名を超える。 

Aiさんインスタグラム @ais0_bkk.kl
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