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2012年から開催されている「サイエンスキャッスル」は、株式会社リバネスが主催する、未来の研究者のための科学、技術に関する学会です。民間企業や大学と連携し、中高生が研究できる環境づくりをサポートしています。
これまでは、日本国内とマレーシア、シンガポールなどそれぞれの国で実施していましたが、今回、日本を含む東南アジア各国の中高生が集まる学会として、アジア大会を初めて開催し、自国で研究に取り組んでいた生徒たちがマレーシアに集まりました。
サイバージャヤで開催されたアジア大会には、マレーシア国内、日本、シンガポール、フィリピン、タイ、ベトナム、インドネシアなどアジア各国の35校から52チーム、合計255名が集結し、アジア最大級の中高生の学会となりました。
2日間に渡り開催され、初日は研究者のレクチャーや討論会の聴講を通して、生徒たちは実際に各分野で活躍する研究者の様子を身近で感じ、学んでいました。また、ワークショッププログラムも開催され、各国のグループがコミュニケーションを取りながら、実験に取り組みました。
2日目は、会場全体で「さあ、研究だ!!」と声を合わせた後、口頭発表が行われました。各国のグループが研究の成果を口頭、ポスターで発表し、質疑応答を交わし、今後に向けて新たな課題や目標を確認していました。
口頭発表のトップバッターは、日本からの唯一の参加となった東京都立富士高等学校附属中学校科学探究部生物班の中学3年生の和田桜佳さん、塚越夢優さん、原田和桜さんの3人による「Let’s Eat Daphnia! (ミジンコを食べよう!)」でした。
人口増加による食料不足問題に備え、栄養価の高いミジンコの食用を目指し、大量繁殖の条件を検討して発表していました。大勢の人が集まる中のステージでの発表にも関わらず、審査員の先生方からの質疑応答に、3人は堂々と協力して答えていました。しかし、発表当日を迎えるまでは、困難の連続だったそうです。
東京都立富士高等学校附属中学校科学探究部生物班 口頭発表の様子
塚越さん:本当に頑張って、前夜まで準備を積み重ねてきたので、緊張はしていなかったのですが、英語での質疑応答は大変でした。今回、海外で交流する上でのツールとしての英語の大切さを、改めて実感しました。
原田さん:英語での発表準備は非常に大変で、研究と並行して、英語の勉強も基礎から頑張りました。準備の役割分担が難しく、チーム仲が悪くなった時期もありましたが、先生や多くの方たちに支えられ、みんなで舞台に立てたことを嬉しく思っています。
和田さん:国際学会に向けての準備は大変でしたが、完成度の高い発表ができて、今までの努力は無駄ではなかったと感じています。学会で、他国の学生と交流することで、英語での自己表現や自己主張をしていく方法も身についたように思います。
3人の次のステップは、「食品化に向けたミジンコの更なる大量生産」です。我々の食卓にミジンコが登場する日も、そう遠くないかもしれませんね。
Let's Eat Daphnia!(ミジンコを食べよう!)のポスター発表
次世代を担う各国の研究者たちは、食品廃棄や汚染水、海岸のゴミ処理など、現在直面している環境、健康問題を調査して取り組むさまざまな活動を、聴講者を魅きつけるプレゼンテーションで紹介していました。
東南アジア地域の参加国が多かったこともあり、バナナの皮を利用したタオル、ドリアンの外皮を利用した皮膚パッチ、トウモロコシの芯を利用したクッキーなど、身近な作物を再利用したアイデア商品の開発が、沢山紹介されていました。
質疑応答を通して、新たな課題を見つける様子も伺われ、若い研究者たちが担う未来に明るい光を感じました。
原田和桜さん・塚越夢優さん・和田桜佳さん