専門家ら、サバ州にＴＥＭＣＯの導入を求める-2020/09/28

サバ州で新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない問題で、専門家らはサバ州全体に「厳重に強化された活動制限令（ＴＥＭＣＯ）」による封鎖措置を取るよう求める声が出ている。
マレーシア・プトラ大学のマリナ・オスマン上級講師（公衆衛生学）は「予防対策をためらっていると次の活動制限令（ＭＣＯ）の発令になりかねない」としてサバ州に一刻も早くＴＥＭＣＯを導入するよう政府に求めた。
同氏は「今のサバ州の状況は３月に政治的混乱に直面したときに似ている」と指摘。当時はクアラルンプール郊外の宗教イベントで大クラスター感染（感染者３３７５人、死者34人）が発生。政治的混乱のために政府の対応が遅れて感染が拡大したと述べ、同州でも州首相が不在で適切な指示が出ていないことに危惧を示した。
さらに、26日に州議会選挙が行われ、選挙運動等を通じて、標準運用手順（ＳＯＰ）が守られていなかったことから、「新たな波」が来る恐れがあるとも主張。「選挙クラスター」が発生して全国に広がる可能性も指摘した。
マレーシア公衆衛生医師協会のザイナル・アリフィン会長も「選挙運動で大集会を開かれていたことで感染が拡大する可能性がある」と指摘。ＳＯＰが順守されておらず、今後さらに感染は同州で拡大するとの見通しを示した上で、政府はＴＥＭＣＯやＥＭＣＯの導入を検討すべきと主張した。