ムヒディン首相は2月16日、「新型コロナ国家免疫プログラム」のガイドブックと公式サイトのオンライン上での公開式で外国人へのワクチン接種の登録も促した。
首相は、「予防接種は義務化されていないものの、接種を拒否した外国人は将来的に国内での移動や業務への従事が制限される可能性がある」と指摘。マレーシア人の保護の観点から、予防接種は免疫証明の「ワクチンパスポート」となるだろうとも語った。ガイドブックでは国内の医療関係者を除く外国人の接種は5月以降としている。
ガイドブックによると、ワクチンを提供する製剤会社は5社。米ファイザー社のほか、英アストラゼネカ社、中国のシノバック、康希諾生物(カンシノビオ)、露のスプトニクV社。康希諾生物製のワクチンの接種は1回のみだが、それ以外はすべて2回の接種となる。接種総回数は6670万分となる予定で、マレーシア総人口を上回るとしている。
ワクチンの第1段となるのは米製剤会社ファイザー社製のワクチンで、首相は「2月21日に到着し、26日から接種を開始する」とも述べた。ワクチン接種の第1号はムヒディン首相となる。
接種スケジュールは2月から4月までは最前線で働く医師など50万人に接種。4月からは刑務所職員や65歳以上の高齢者、感染リスクの高い持病のある人など940万人が対象となる。5月以降には18歳以上のマレーシア国民及び外国人の接種を始める。ただ、感染者の多い「レッドゾーン」の住民から優先して接種を始める。5月から来年2月までの摂取者数は1370万人に達する見込み。
接種場所は全国605カ所で、スタジアムやコンベンションセンター、公民館、大学など。ワクチンの運搬は保健省とマレーシア国軍が担当する。
ガイドブックはマレー語のみで26ページ。ワクチン接種スケジュールやワクチンの種類、登録方法、接種方法などが掲載されている。公式サイト(
www.vaksincovid.gov.my)ではこのガイドブックのほか、関連情報が公開された。
ガイドブックでは副作用について注射した箇所の痛みや腫れのほか、頭痛、関節の痛み、脱力感などを伴う場合があるとも指摘したが、「一時的で軽い副作用のみ」として安心するよう呼びかけた。また、副作用が出た場合、接種登録のアプリともなる「MySejartera」を通じて報告できるシステムともする。