
アストラ製ワクチン 希望者のみに接種へ-2021/04/29
カイリ・ジャマルディン科学技術・イノベーション相兼ワクチン接種プログラム調整担当相は4月28日、英医薬大手アストラゼネカ製の新型コロナウィルス向けワクチンを希望者のみに接種すると発表した。
同相は英国などで接種後に血栓ができ、同社製ワクチンを取りやめている国もあり、「国民の間で懸念が出ているため」と理由を説明した。
同相は同社製ワクチンを「安全で効果がある」と述べたものの、現在進められているワクチン接種プログラムを中断させないためにも同社製ワクチンをメインのワクチンから外すと述べた。
保健省や専門家などと協議して決定され、同社製ワクチンは特定の接種センターで希望者にのみ提供する。1回目と2回目の接種間隔は世界保健機構(WHO)の推奨に則って12週間。ただ、接種前には希望者の体調を検査して接種可能かどうかを判断する。血栓症はまれだが、同社製ワクチンは強い頭痛や眠気、倦怠感、息切れ、原因不明の出血といった副作用があるとも同相は説明。リスクがあることを希望者には説明した上で接種する方針。
同社製ワクチンは26万8600回分あり、5月にも追加分が到着する予定だ。感染者数が多いスランゴール州やクアラルンプールの特定の接種センターで提供したい考えで、同相はスランゴール州首相と協議したという。
また、サラワク州議会選挙が任期満了に伴い、今年8月にも行われる予定であることから、選挙前に有権者が接種できるよう同州政府に促しているとも同相は述べた。