
【速報】1500億リンギの緊急経済対策を発表 電気代割引やモラトリアムも-2021/06/28
ムヒディン首相は6月28日夕方、「全面ロックダウン」を当面解除しないため、総額1500億リンギの緊急経済対策を発表した。今年で2度目、昨年3月から7度目の緊急経済対策となった。首相は「国民の関心事」、「ビジネス支援」、「ワクチン接種」の3つを柱に支援策を立ててまとめた。
首相が発表した主な内容は下記の通り。
■国民の関心事
・失業者手当として従業員積立基金(EPF)や従業員社会保障機構(SOCSO)のデータをもとに1人500リンギを支給
・SOCSOに未加入の人や新卒者などは「MyFutureJobs」に登録すると最低300リンギを支給
・国会議員に30万リンギを支給し、地元民への食糧を支援
・燃料代の補助金を今後も維持
・食用油への補助金を導入。5キロの食用油の上限価格を30リンギとする
・精神衛生やホームレス向けへの対応のため、非政府組織(NGO)に1500万リンギを支給
・電気料金の割引(7月から3カ月間適用)について
月200キロワット以下の電気使用量に対しては40%
月201キロワット~300キロワットまでの電気使用量に対しては15%
・ホテル、テーマパーク、コンベンションセンター、ショッピングモール、現地旅行会社のオフィス、旅行・観光代理店を対象に毎月の電気代10%割引を3カ月延長し、10月~12月まで適用
・国内の大手通信サービスプロバイダーによる毎日1ギガビットのデータを無料で提供する期間を2021年12月31日まで延長
■ビジネス支援
・零細中小企業向けに9月に500リンギ、11月に500リンギを支給。これまでに支援を受けていない企業は7月中旬から登録が可能
・賃金補助について
国家復興計画2期目に全セクターを対象に2カ月及び3期目に2カ月の計4カ月に従業員500人までの企業に1人あたり600リンギを支給
先の賃金補助では給与制限が4000リンギ以下だったがこれを撤廃し、4000リンギ以上の従業員の賃金補助申請もできるようにする
・中小企業のデジタル化強化プログラムを策定し、合計3億リンギを投入。主にキャッシュレス取引を促進する。市場などに出店する店舗での電子マネー化やオンラインビジネスも促進させる
・芸術家らに対して融資制度や金融支援として1億リンギを割り当てる
・政府公認の育児施設に対して3000リンギを支給
・認可を得ている食堂経営者に対して1000リンギの財政支援
・ジム、ボウリング、フットサルなどのスポーツ産業事業者などに3000リンギの単発支援
・年末までに建材コストが大幅に上昇した場合は作業プロジェクトの価格変更や価格変動を政府が認める
・地元のG1からG4に区分される請負業者が、新しい土木・建築工事料金表や電気工事料金表を利用して、小規模な工事を見積もりできるように支援する
・MCOの影響を受ける供給・サービス契約について、契約条項に基づき、工期延長や契約期間延長を認める
・政府公認の観光業者に対しては1社あたり3000リンギを支給
・企業に対する毎月の所得税の分割払いを延期し、ホテル経営者に対する観光税とサービス税を今年末まで免除
・すべての個人債務者と零細起業家に対して6カ月間の支払い猶予期間(モラトリアム)を付与。申請のみで自動的に付与される。申請書類などは不要。中小企業経営者に対しても銀行の審査を受けた上でモラトリアムを7月7日以降に付与
■ワクチン接種
・ワクチン接種プログラムを迅速化させ、供給量を増やすために4億リンギを割り当てる
・現在の接種センター341カ所のほかに、新たに29カ所に設置し、接種はドライブスルー式、移動式、戸別訪問も実施する。このために総額2億リンギを計上
・事業者の敷地内を接種センターにする場合はその際の費用の税控除を行い、新型コロナ関連の寄付や接種センターに寄付した場合も税控除の対象となる
・従業員全員が2回の接種を完了した場合、フル稼働を認める用意がある