マレーシア入国管理局及びマレーシア運輸省が11月18日、マレーシア~シンガポール間の渡航において入国後の隔離を不要とする新たな枠組み「ワクチン・トラベル・レーン」(Vaccinated Travel Lane、VTL)の概要を発表した。この枠組みはワクチン接種完了者を対象としたもので、来たる11月29日に運用開始される。
諸条件は次の通りとなっている。
1)対象者
・マレーシアまたはシンガポール国内の全ての国の国籍者で、ワクチン接種完了者
・全てのVTL要件を満たす渡航者に同行する満12歳未満の子供(ワクチン接種証明の提示は不要)
2)渡航目的と滞在期間
・目的に指定はなく、滞在期間もビザの範囲内であれば可
3)渡航手段
・シンガポール・チャンギ空港~クアラルンプール国際空港(KLIA)間の直行便で、マレーシア・シンガポール両政府からVTL用と指定されたフライトに限る(航空会社6社が運航しているが、すでに満席便が多数出ているとの情報あり)。
4)事前手続の流れ
・シンガポールからマレーシアへの入国許可申請は不要
・マレーシア到着時のRT-PCR検査の登録及び支払い(
https://airport.doctor2u.my)を事前に済ませる。
・マレーシアへの出発前、連続14日間はシンガポールまたはマレーシアに滞在する必要あり。
・マレーシアへの出発前2日以内にRT-PCR検査を受検し、陰性結果を取得(実施施設の限定あり。以前にVTLを利用した際の出発前又は入国時の検査結果がマレーシアへの出発前2日以内のものであれば、当該結果を再度利用可能)。
・短期渡航者(商用及び公務目的の渡航者を含む)の場合、コロナ関連疾病の治療及び入院費用をカバーできる、最低10万リンギを保障する海外旅行傷害保険に加入し、保険証券を携行する。帰国便航空券の事前購入も求められる。
・MySejahteraアプリケーションをダウンロードしプロファイルを登録(12歳未満の子供は、同行する両親又は法定後見人の扶養家族として登録可能)。
5)チャンギ空港でのチェックイン時の流れ
航空会社カウンタースタッフに以下の書類を提示する。
・マレーシアへの出発前連続14日間のシンガポールまたはマレーシアでの滞在を証明する有効なパスポートを提示。
・シンガポールで発行、またはVTLの下でマレーシアが承認したワクチン接種証明書(電子データでも紙データでも可)。
・出発前RT-PCR検査の陰性証明(英文、電子データでも紙データでも可)。
・MySejahteraアプリケーションをダウンロードしプロファイルを登録済みの携帯端末を持参する。
・短期渡航者(商用及び公務目的の渡航者を含む)のみ、帰国便の航空券及び保険証券を提示する。
6)KLIA到着後の流れ
・KLIAのBP臨床検査・健康診断センターでRT-PCR検査を受検し、検査結果判明まで(1~3時間以内目安)指定された待機エリアで待機する。
・入国審査時に以下の書類を提示
(1)チャンギ空港チェックイン時の提示書類
(2)搭乗券
(3)(マレーシア永住者及び長期パス保有者を除き)帰国便航空券
7)マレーシア滞在中の注意
・渡航者はマスク着用、安全な距離の確保等の一般的な公衆衛生措置、MySejahteraアプリケーションを常時アクティブとする等を遵守。
・マレーシア滞在中に陽性になった場合はマレーシア保健省の要請よりMySejahteraアプリケーション内の全てのデータを提供。
8) 滞在期間終了後の流れ
・マレーシアへの渡航後、シンガポールに再入国する際にVTLを利用する場合は、シンガポールへのワクチン・トラベル・パス(VTP)申請手続が必要(マレーシア入国管理局に確認済み)。申請はシンガポール入国予定日の7~60日前に行う必要あり。
※手続きの詳細についてはシンガポール当局の発表も合わせて確認すること。