東南アジア各国、入国条件を徐々に緩和へ-2022/02/04
2022.02.04 コロナ東南アジア各国政府は、新型コロナウイルスの感染状況が「制御可能な状態になりつつある」と判断し、外国人らの入国条件を緩和し始めている。各国とも、国内経済への観光業が占める割合が大きいこともあり、「外国人観光客向けの開国」は喫緊の課題となっている。
タイは昨年7月、各国に先がけて世界的なリゾートとして知られるプーケット島に限って「サンドボックス(砂場)」政策を導入、外国人観光客の受け入れを始めた。
その後、ワクチン接種済み者を対象に、短い隔離期間でタイ各地にも滞在できるスキーム「テスト・アンド・ゴー」を導入した。これは、すべての国からの旅行者が対象。現在のルールでは最低6日間滞在となっており、到着日1泊のみ隔離を受ける格好となっている。入国前に1回、入国後5日目との計2回のコロナテストを受ける必要があるものの、到着から1泊2日のみの拘束で済むのは旅行者にとっては嬉しい仕組みとなっている。
ただ、オミクロン株の拡大により、タイのこうした施策も40日間中断。2月1日に隔離免除の登録が改めて再開された。一時的な停止理由は「新たな感染者が急増する恐れがある」としたもので、昨年12月下旬に手続きが一旦閉められた。タイ政府は1月下旬になって「死亡率が低下し、感染傾向も制御できている」と判断。外国人の入国者増加を狙うことにした。なお、タイにおける直近の1日当たり新規感染者数は、引き続き7,000~8,000人程度で推移している。
2月2日の現地報道によると、初日には2,500人がバンコク・スワンナプーム空港に到着。多くのマレーシア人も含まれていたという。
一方、インドネシアのリゾート地バリ島では、2月4日からすべての国からの旅行者を受け入れる。また、ワクチン接種者の検疫期間は、7日間から5日間に短縮される。
バリ島は昨年10月中旬に中国、ニュージーランド、日本などからの旅行者の受け入れを正式に開放したが、通年で外国人観光客の到着数は2けたにとどまった。
フィリピンも2月10日から、ワクチン接種済みの観光客に対し、隔離措置不要で国境を再開する。同国の国境はコロナ禍の規制で、2年近く閉鎖されていた。