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**週末の読み物** マレーシアのインバウンド客、回復速度は鈍く-2022/04/17
**週末の読み物** マレーシアのインバウンド客、回復速度は鈍く-2022/04/17
2022.04.17
経済・現地企業
東南アジアの観光業界は新型コロナウイルスの感染拡大が響き、2年以上に渡り厳しい状況にある。ただ、4月に入り、ASEAN各国政府による入国規制の解除や隔離措置の緩和により、外国人旅行者の動きが徐々に戻ってきた。ただ、全面回復には時間がかかりそうだ。
回復への道のりを左右するのは「入国時手続きが簡便か否か」だ。ロイター通信が伝えたところによると、スペインの旅行関連調査会社フォワードキーズの統計で「3月下旬までに東南アジア方面への国際線予約件数は2019年の38%相当まで回復した」とされ、これは今年初時点の10%弱の水準から大きく伸びている。
いまASEANでインバウンド客の増加速度が速いのは、シンガポールとフィリピンだ。両国ともにワクチン接種済みの外国人旅行者にはすぐ結果が分かる抗原検査(ART)を到着前に義務付けているのみで入国できる。
一方、マレーシアの入国条件を見ると、出発前にはARTでなくコストの高いPCR検査が求められる上、到着後24時間以内に医療機関での専門家立ち合いの元でARTを行わねばならない。シンガポールは一度入国すれば、追跡検査の義務はない。
また、コロナ下でのマレーシア生活に必須のMy Sejahteraを起動させるため、事前申請による承認を得ないとそもそもマレーシアに向けて出発できない。その点において、シンガポールは許可制ではなく「事前届け」のみでとどめているところは大きな差だろう。実際に例えば、欧州からの国際線運航状況を見ていると、シンガポール往復便は着実に盛り返しているものの、マレーシア往復便の本数はほとんど戻ってきていない。
中国人観光客の来訪が当分見込めない中、ASEAN全体では欧米からの旅客シェアが伸びている。より長期滞在が見込め、旅行消費費用も高い欧米人達のマーケットをマレーシアが取りきれず、他に奪われるとしたら、とても残念なことだ。
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