ジョホール州、シンガポールへも労働者流出が深刻に
2022.05.11 経済・現地企業4月1日にマレーシアとシンガポールが同時に外国との往来を解禁したが、陸上国境の再開を受け、ジョホール州内のビジネスが急速に回復している一方で、シンガポールとの賃金格差が顕著な中、州内の多くの法人が人手不足に頭を抱えている。
米ドル高に引っ張られたシンガポールドルの値上がりにより、多くのジョホール州住民がシンガポールへ出稼ぎに向かっている。
一方で、すでにコロナ禍を通じ、州内に事業体の多くは雇用を絞って来たこともあり、V字回復の波に乗り切れないケースも多いという。
州内のホテルでは、すべての部門で人手不足を訴えている例もある。
賃金格差と為替レートの影響で、ジョホール州の人々にとってシンガポールはとても魅力的な働き場所に映る。
州内で事業所を持つ会社オーナーは、「リンギ換算後の給与が高すぎる。我々がいくら頑張っても、シンガポールでの給与にはかなわない」と嘆く。
先に、シンガポール金融当局が引き締めを行った結果、リンギは米ドルに対して急落。4月25日には、1リンギ=3.1665 シンガポールドルと史上最高値を記録した。これは、昨年12月31日の3.0857から2.72%上昇した格好となる。
5月に入っても、シンガポールドルは3.15リンギ前後で推移している。