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中銀、2%に予想外の利上げ=リンギ安防止も視野に
中銀、2%に予想外の利上げ=リンギ安防止も視野に
2022.05.12
経済・現地企業
中央銀行のバンク・ネガラ・マレーシア(BNM)は5月11日、金融政策委員会(MPC)で、政策金利に当たる翌日物政策金利(OPR)を25ベーシスポイント(bp)引き上げ、2.00%とすると決定した。BNMが利上げに踏み切るのは2018年1月以来、4年4カ月ぶりのことだ。米連邦準備理事会(FRB)が利上げを進めており、これに追随してリンギ安防止を視野に入れている可能性がある。ただ、今回のMPCでの利上げは予想外だったとの声もある。
BNMは今回、利上げに踏み切った理由として、「世界の成長見通しが、引き続きウクライナ紛争、コロナ禍、世界のサプライチェーンの状況、商品価格の値上がり、金融市場のボラティリティをめぐる動向に影響を受けるため」と説明。これまでコロナ禍のさなか、国内経済を支援するため政策金利は累積1.25%も引き下げられ、歴史的な低水準である1.75%まで下がった。その上で、すでに新型コロナの感染者が減っており、低金利を維持する措置が必要となった前例のない状況が緩和され国内の経済活動がコロナ前の状況近くまで戻っていると指摘。金融政策も非常時体制から通常の状態に戻す格好となった。
マレーシア経済の見通しについてBNMは、「輸出の持続的な増加に伴う内需の強化により、成長はより強固な足取りで推移している」と分析。「労働市場は、失業率の低下、労働参加率の上昇、所得見通しの改善により、さらに活性化されている」と述べている。また4月1日のエンデミックへの移行により、「規制のさらなる緩和と国境の再開に伴い、経済活動が強化されているとともに、投資活動や見通しも改善した」としながらも「世界経済の予想以上の減速、地政学的紛争のさらなる激化、サプライチェーンの混乱の悪化、コロナ禍が依然各国で重しとなっており、成長に対するリスクは依然残っている」と現状を説明している。
今年のインフレ率の平均は2.2%~3.2%のレンジと予測。コスト削減圧力が残る中で経済活動が改善していることから、コアインフレ率は上昇傾向にあり、今年の平均は2.0%~3.0%になるとみている。物価上昇の圧力は、「既存の価格統制と経済の余剰生産能力の継続によって部分的に抑制される」と分析している。
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