マレーシア統計局が発表した、向こう4~6カ月の経済動向を示す、2022年4月の景気先行指数(LI)はマイナス0.5%となり、3月のマイナス1.4%から改善した。今後の景気回復を示唆する格好となっている。
ただ依然としてマイナスにあることについて、統計局は4月に住宅開発業者からの申請件数が減少し、建設許可戸数が減少したことが主な要因としている。
実際に前月比でみると、住宅建設許可戸数は1.4%減っている。そのほか、新規企業登録数0.5%マイナス、ブルサ・マレーシア工業指数も0.3%マイナスにとどまった。
4月はLIが軟調に推移したものの、平滑化したLIは長期トレンドを常に上回り、指数ポイントも上昇するなど、良好な方向性を示している。これは、マレーシアの経済回復の方向性が良好であることを示唆する。
しかし、世界情勢を考慮すると、インフレと商品価格の上昇の問題を考慮する必要があるという。
経済や社会活動がフル稼働しており、経済活動が増加していることを反映して、現在の経済全体のパフォーマンスを測定する一致指数(CI、Coincident Index)は、2022年2月以降、持ち直している。
CIは前年同期比で5.3%上昇し続けている。月次ベースでは、3月の1.4%に対し、4月は2.0%に上昇した。これは、小売業販売指数が1.6%と大幅に上昇したことが要因。
マレーシアの景気循環の基準期間との関連では、CIはコロナ禍のあおりによって2020年2月に始まり2021年7月に終わる景気後退を検知している。