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2023年度予算案を発表 過去最高の3723億リンギを計上

2023年度予算案を発表 過去最高の3723億リンギを計上

2022.10.07 経済・現地企業
トゥンク・ザフルル財務相は10月7日午後、2023年国家予算案を発表した。計上額は昨年の3321億リンギを上回る3723億リンギとなった。予算額としては過去最高となった。
予算案の内訳として歳出総額が2723億リンギ。開発費が950億リンギとなり、いずれも過去最高額。省庁の中の予算分配額が最も多いのが財務省の672億リンギ、次に教育省の556億リンギ、保健省の361億リンギとなり、この3省で全体の43.3%を占めた。このほか内務省に183億リンギ、国防省に174億リンギも割り当てられた。
国家歳入額は、昨年の2852億2000万リンギから4.4%減の2725億7000万リンギと見込む。
財政赤字は2022年の国民総生産(GDP)比5.8%から2023年は5.5%に縮小すると政府は見込んでいる。今年の経済成長率は6.5~7%、2023年は4~5%と減速するとの予測も示した。
このほか、新型コロナウイルス向け基金に50億リンギ、緊急予備費に20億リンギを充てる。
また、2018年に廃止された物品・サービス税(GST)の再導入について同相は2023年に議論すると述べた。来年の経済状況を考慮して再導入するかを決める。2023年予算案の協議では議論されなかったという。
同日に発表された予算案の主な内容は下記の通り。
■経済関連 - 零細中小企業向けに最初の所得額10万リンギ分の所得税を17%から15%に軽減。 - マレーシア証券取引所の新興企業向けのACEマーケットと中小企業向けのLEAPマーケットへの上場関連費用を最大150万リンギの控除を2025年まで延長。 - マレーシア共同投資ファンド(MyCIF)に3000万リンギ。 - 政府系投資会社カザナーが地場ハイテク企業に2億3000万リンギを投資。 - ジョホール州プングラン石油化学コンビナートの企業に対し投資優遇措置を提案。 - 国内投資戦略基金(DISF)に1億リンギ。 - 2023年に1500万人以上の海外観光客目標数を掲げ、観光収入476億リンギを目指す。 - マレーシア中銀バンク・ヌガラ(BNM)に自動化・電子化・観光・農業関連の中小企業向けへの融資に100億リンギを配分。
■税関連 - 2023~2028年の評価年度で、女性の所得税を免除。職場から離れた女性の社会復帰を奨励するため。 - 2024年の税評価年で、育児施設の支払い額3000リンギまでを税額免除。 - 年収25~40万リンギおよび40万~60万リンギの所得者は25%の税率が適用。 - 年収5~10万リンギの所得者は2%減税。 - 50~100万リンギの不動産譲渡書類やローン契約の印紙税免除率を2023年12月31日まで50%から75%に引き上げ。 - 2023年からすべての自営業者に自営業社会保障制度(SKSPS)の保険料負担の義務化を段階的に導入。 - 完成電気自動車の輸入関税や物品税の免除を2024年12月31日まで延長。 - 電気自動車(EV)の輸入時の許可書(AP)取得を2023年12月31日まで免除。 - EV充電器メーカーには、2023年から2032年の評価年まで法定所得に対する所得税全額と投資税額全額を控除。
■デジタル関係 - デジタル・インフラ整備に13億リンギ。第5世代移動通信システム(5G)ネットワークを全国に拡大し、2023年には人口密集地の70%をカバーさせる。 - 国家デジタルネットワーク(JENDELA)に7億リンギの割り当て。2023年度中に47の工業地帯と約3700校でデジタル化を実施。 - サイバーセキュリティーの強化に7300万リンギ。
■医療関連 - 公共医療サービスの能力拡大に2022年比12%増の49億リンギ。 - 新しい病院や診療所の建設や医療機器の調達に18億リンギ。
■教育関連 - 高等教育省と科学技術革新省での研究開発に3億6400万リンギ。 - 奨学金と教育ローンに38億リンギ。 - 学士号取得者の高等教育基金(PTPTN)融資の返済を免除。 - 国家職業訓練校評議会を通じて、技術・職業教育訓練プログラムの実施向けに67億リンギ。 - 低所得者の生徒向けの栄養プログラム「食品補助プラン」でマレー半島では1人あたり現行の2.5リンギから3リンギ、サバ州、サラワク州、ラブアン島では3リンギから4リンギに支援金を引き上げ。
■農業関連 - 連邦土地開発公社(Felda)やゴム産業小農開発公社(RISDA)などに26億リンギを配分。 - 中小企業の農産物増産を支援する「BNMアグロフード融資スキーム」に10億リンギを割り当て。 - 小規模ゴム農家にモンスーン向け支援に2億5600万リンギ。32万人が対象。
■支援関連 - マレーシア証券取引委員会は女性の取締役を増やすため、女性のスキルレベルに合わせた特別研修プログラムを導入。 - 女性起業家への資金援助に2億3500万リンギが割り当て。 - 登記されたすべての零細・中小企業(MSME)1社あたりと登録タクシー運転手1人あたり1回限りの1000リンギを支給。総額10億リンギを割り当てる。 - 「MyPSVプログラム」を通じてタクシー、バス、配車サービスのライセンス取得費を低所得者層(B40)の若者に限り免除する。 - 貧困撲滅プログラム対象世帯で2023年に出産する母親に500リンギの一時金を支給。 - 社会保障機構(PERKESO)の雇用奨励金として1億5000万リンギを割り当て。貧困層に月600~750リンギを3か月間支給。 - 年収10万リンギ以下の中所得者層(M40)に1人あたり100リンギをEウォレットを通じて支給。18~20歳の若者と21歳以上のフルタイムの学生に対して200リンギを支給。 - 月の世帯所得が1169リンギ以下の世帯には40リンギの電気代補助を支給。 - 従業員積立基金(EPF)の任意引き出し限度額を年間6万リンギから10万リンギに引き上げ。 - 低所得者層プログラム「マレーシア家族支援」で対象となる世帯で、子どもが5人以上いる世帯月収2500リンギ以下の世帯に最大2500リンギを1回限りを支援する。
■その他 - 気候変動に適応するための長期戦略として2030年までの洪水軽減計画に150億リンギ。 - サバ州の開発費に63億リンギ、サラワク州に54億リンギを割り当て。 - サバ州とサラワク州の老朽化した校舎とインフラ整備に12億リンギ、学校の補修やメンテナンスに11億リンギ。 - スポーツ施設のメンテナンスや建設に1億4500万リンギ。 - 芸術作品のマーケティングを支援するデジタル・コンテンツ・ファンドに1億200万リンギ。 - 公務員らへの特別支援で13億リンギを割り当て。56等級以下の公務員130万人に700リンギ、政府年金受給者100万人に1人あたり350リンギの特別財政支援を行う。
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