タッチ・アンド・ゴー、改良型リリースへ＝スマホからの直接チャージも可能に-2022/01/27

公共交通機関への乗車や、高速道路の料金所での支払いなどの際に使われている非接触型ICカード「タッチ・アンド・ゴー（Touch'n Go）」の改良型がリリースされることになりそうだ。これまではチャージの際には、セキュリティ上の理由から特定のカードリーダーが必要だった。改良型では、カードの保有者が自身のスマートフォンなどを利用してチャージが可能となる。
タッチ・アンド・ゴーのカードは初期型のリリースが1997年3月にまで遡り、20年以上前に開発されたMIFARE（マイフェア）という通信規格が使われて来た。しかし、この規格は10年以上前に、「暗号アルゴリズムの脆弱性を突き止めれば鍵を特定でき、クローンカードを作成することができる」との問題が突き止められている。そうした背景から、セキュリティの強化のためにはカード自体の刷新が必要と考えられて来た。
同カードの運営にあたる、TNGデジタルのイグナティウス・オン最高経営責任者（CEO）は1月25日開催された「マイフィンテック・ウィーク2022」の席上、改良版のリリースを発表。「これまでは、セキュリティ上の理由から特定のカードリーダーが必要だった」と述べ、「数週間以内に物理的なタッチ・アンド・ゴーの新バージョンを導入する予定」であることを明らかにした。新たにアップグレードされたカードには近距離無線通信（NFC）技術が搭載。これにより、スマートフォンにインストールされたTNG eWalletアプリを使って、NFC対応ポート経由でカードへのチャージが可能になるという。
今後は、NFCでの課金が可能なレジで、PAYWAVEやVISAWAVEなどと同様な方法での非接触での支払いができるものと期待される。一方、iPhoneでのApple Payや、アンドロイドフォーンにインストールできるGoogle Payに入れることができるかどうかは明らかになっていない。