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マレーシアの日系企業、労務問題に直面=ジェトロ

マレーシアの日系企業、労務問題に直面=ジェトロ

2017.01.23 経済・現地企業
日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所は11日、在アジア・オセアニアの日系企業を対象に実施した調査結果を発表した。マレーシアの日系企業は、労務問題に直面していることが明らかになった。
同調査は、昨年10月11日から11月11日にかけて、在アジア・オセアニアの日系企業(20カ国の1万983社)を対象に実施された。4642社から有効回答を得た。マレーシアでは287社から有効回答を得た。
調査によると、マレーシアの日系企業の経営上の課題としてトップになったのは従業員の賃金上昇だった。それに▽品質管理の難しさ▽為替変動▽従業員の質▽競争相手ーーが続いた。一方で投資関係上のメリットについては、コミュニケーションの取り易さや安定した政府・社会情勢との回答が出た。
今後の事業拡大に関しては、マレーシアでは44・1%の日系企業が今後1ー2年で事業を拡大すると回答した。事業を拡大する理由としては、売り上げの増加や生産・販売ネットワークの見直しが挙がった。他のASEAN主要新興国では、ベトナムでの事業拡大比率が66・6%と最も高かった。それにフィリピン(54・4%)、インドネシア(51・6%)、タイ(50・1%)が続いた。
コスト上昇による自動化対応の実施(検討)状況については、30・3%の企業が自動化に取り組んでいると回答しASEAN主要新興国では最も回答率が高かった。
ジェトロは、マレーシアの日系企業は今後も半数近くの企業が事業拡大を検討している中で、人件費上昇を経営上の最大の課題と考えていると分析。企業は自動化設備の導入等でコスト削減を積極的に図っているものの、他のASEAN主要新興国と比較して、将来的な事業拡大意欲は相対的に低くなっていると指摘した。その上でマレーシア政府が日本からさらなる投資を誘致するためには、懸案の労務問題に加えて為替の不安定さを解消する政策が求められるとの見解を示した。(1月12日付)
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