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【週末の読み物】宇宙飛行士・金井宣茂氏に聞く

【週末の読み物】宇宙飛行士・金井宣茂氏に聞く

2023.02.18 日系企業動向
日本航空(本社・東京都品川区)と公益財団法人JAL財団は2月12日、「地球人講座 in アジア」をオンラインによるリモート講演で実施した。
今回の講師は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士の金井宣茂氏。
講座にはマレーシア国内にある日本人学校全4校をはじめ、韓国、インドネシア、ベトナム、フィリピンから日本人児童・生徒らが講演を視聴した。
金井氏は2017年12月から、国際宇宙ステーション(ISS)に約6か月間滞在。
滞在期間中、ドラゴン補給船のキャプチャーや船外活動も行なったという。
ISSは全体の面積がサッカーコートほどもあり、地球を90分で一周する。
無重力でふわふわと浮いてしまうが、内部の居住空間は意外と広くて快適、宇宙でも日本食を楽しんだーー、など経験者でしか知ることができない体験を次々と披露。
視聴中は子どもたちから感嘆のコメントが次々と寄せられていた。
宇宙や宇宙飛行士に対する関心は非常に高く、講演中のチャット総数は1,500件近くに達した。
さまざまな機会に講演を行なっている金井氏だが、「チャット欄を活用した講演は初めてで、一方的に話をするのと違い、皆さんのコメントを見ながらお話しするのはとても楽しかった」との感想を述べている。
アジア在住の児童・生徒への講演終了後、Mタウンは金井宇宙飛行士に直接お話を伺うことができた。
「宇宙から、マレーシアなどASEAN各国を望むとどのように見えたか?」との問いかけに対し、金井氏は「ASEAN地域は水蒸気が多いのか、曇っていることが多い。写真を撮ろうとしても雲がよくかかっていて、なかなかチャンスに恵まれなかった。しかしそれは自然豊かな場所だからなのかもしれない」と指摘。
「宇宙から季節の違いは意外にもはっきり見える。12月からの半年間の滞在だったが、もし反対の半年間だったらクリアに見えたかもしれない」との考えを述べた。
「ただ、上空から東南アジアを見ると、雨雲に雷が起きている様子が観察できる。線香花火のように雷が瞬く。雨雲の間からぼんやりとクアラルンプールやアジアの街々の光が見える様子はとても幻想的だった」と話し、「これはISSから見えた最高に美しかった光景の一つだった」ということだ。
ISSは、気象衛星などより低いところを飛んでおり、その分地球の表情がとてもよく観察できると説明された。
ISSには世界の15か国が運用に関与しているが、アジアでは日本が唯一参加する格好となっている。
「今後、ASEAN諸国が宇宙関連の産業や研究に関わっていく可能性はあるか?」という問いかけに対し、「一番身近なのは、アジア各国による衛星データの活用。そのほかに、小型衛星の打ち上げというプロジェクトは特に教育の現場で活用されている。ISSについて、アジアでは日本が先行しているが、アジア諸国から上がってくる要望に対し、日本が取りまとめ役といった活動も重要だろう」と指摘。
衛星データの活用については日本からアジア諸国に提供している状況だが、「これからの世界においては、宇宙関係のデータ利用はどんどん進んでいく。
アジア各国としっかり協力関係を築いて、宇宙ビジネスや技術といったようなものを国の枠を外れて互いに進めていくことは重要だろう」と今後のさらなるアジア諸国との宇宙分野での展開に対し期待感を滲ませた。
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