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日系企業を対象としたアンケート結果、各項目ごとの要約

日系企業を対象としたアンケート結果、各項目ごとの要約

2025.04.14 日系企業動向

マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)と日本貿易振興機構(JETRO)クアラルンプール事務所はこのほど、マレーシアに進出する日系企業を対象とした2025年度JACTIM・JETRO共同アンケート調査の結果を発表。
これは項目ごとの要約である。

【景気動向】
業況判断は依然マイナス圏にあるが、2025年にはコロナ前水準への回復が見込まれる。
一方、最低賃金の引き上げや増税などの影響で先行きの不透明感は強い。
利益水準DIは若干悪化、利益率DIは改善傾向を示したが、業界ごとの格差が見込まれる。

【操業状況】
人材不足とビジネス環境の悪化が主な課題として浮上している。
約8割の企業が賃金上昇を課題に挙げており、製造業は為替変動やコスト増に、非製造業は駐在員ビザ取得手続きに課題を感じている。
駐在員の雇用パス申請手続きや審査料引き上げを問題視する企業も多い。

【投資環境】
中長期的な投資魅力は労働者の英語力や自然災害の少なさ、親日的環境が引き続き評価されるが、「頻繁な規制変動」が初めて課題の首位となった。
一般ワーカー不足や電力コスト上昇も問題視されており、企業は人材定着率向上や機械化・自動化推進で対応。
高度人材(特にIT・技術系やマネジメント層)の確保に苦労する状況が続いている。
今後の事業方針は現状維持が約6割を占め、純粋拡張も微増。
マレーシア市場での有望分野として製造業では高付加価値分野、非製造業では脱炭素分野が注目される。

【脱炭素化】
企業の75%が脱炭素に取り組んでおり、再エネ・新エネ電力調達が最多。
一方、費用対効果への不安は依然高いものの、政府施策への不満は緩和傾向にある。

【外国人労働者政策】
外国人労働者新規枠凍結の影響で製造業の約3割がローカル人材採用や自動化を推進しているが、人材確保は困難。
多層型人頭税導入には製造業の6割超がコスト増加を懸念しており、事前の産業界との十分な調整が望まれている。

【税務】
税務調査の頻度や還付スピードに大きな変化はなく、電子インボイス導入への懸念は前回から減少したが、非製造業中心にスケジュール面での不安は継続。

【非製造業の技術開発】
約28%の企業が先端技術人材の不足を最大の課題とし、公的支援の拡充や業界間連携促進が必要とされる。

【マレーシア政府への要望】
企業は最低賃金の急激な引き上げや外国人労働者政策、ESG関連投資政策の明確化や税制優遇の拡充、行政手続きの簡素化を求めている。さらに、防災や都市インフラ改善、教育やヘルスケア分野への投資拡充を望んでいる。

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