感染者総数の14%が「州越え移動」=保健省-2020/05/21
2020.05.21 コロナ保健省のノール・ヒシャム事務次官(衛生総監)は5月17日、これまでの感染者6894人のうち約14%にあたる971人が州を越えて移動していたとの調査結果を明らかにした。同省は感染者が増えた一因として「州越え移動」が深く関与している可能性があると指摘した。
断食明け大祭(ハリラヤ)前にも州を越えて移動を試みる者が増える可能性があるため、同省は特に感染者のいないグリーン・ゾーンに感染者が出てしまう事態を危惧している。
同事務次官はクラスター感染がこれまでに49件発生しており、うち18件は感染者が州を越えて移動したために起きていたことも明らかにした。このうち10件はまだ終息していないという。
政府は現在、州越えの移動を原則認めていない。ただ、活動制限令(MCO)が発令された時点で出張などで違う州にいたことで、滞在場所が離れてしまった夫婦や家族に対しては帰宅を認めている。また、国立大学の学生寮に滞在していた学生に対しても厳重な監視のもとで帰省させた。
一方、イスマイル・サブリ上級相兼国防相は、全国で無断で「州越え移動」を狙った未遂件数が増えていると説明。「家に帰りたい」という言い訳だけで州を越えようとする人が多いと苦言を呈している。こういった人たちに対しては引き返しを指示したという。
同相は「今後も無断で州を越えようと試みる人に対しては罰金1000リンギを科す」と示唆している。