＊＊週末の読み物＊＊保健省、市販食塩へのヨウ素添加を義務化-2020/09/27

保健省は９月25日、国内の子どものヨウ素不足が目立つため、市販の食塩へのヨウ素添加を要請すると発表した。実施は９月30日からとなっている。
ヨウ素は「甲状腺ホルモンの原料」で、不足すると甲状腺に異常をきたす。保健省によると、８～10歳の子どものうち、半数近い48.2％がヨウ素不足に陥っているほか、2.1％が甲状腺腫の問題があるという。
一方、日本人の食生活では、身近な海藻や魚介類に多く含まれているため、食塩等を通じて摂取する習慣はない。日本の厚生労働省発表の「日本人の食事摂取基準」では、ヨウ素は推定平均必要量が1日0.095mg、推奨量が1日0.13mgとされているが、食事で採れている量は１日当たり1～３mgなので、必要量を大きく上っており、不要な分は多くが尿として排出されることが分かっている。
こうした状況について、マレーシアで「ナチュラル子育て」を推奨する中島綾乃さんは、「ヨウ素は、昆布で基本賄おうとしている」と述べ、今回のマレーシア保健省の通達に触れ「天然の昆布や海藻を食事に多く取り入れていた、昔の日本の食文化を見直すきっかけになった」としている。
一方、2011年の東日本大震災の際、大規模事故を起こした福島の原子力発電所から放射性ヨウ素が放出されることとなったが、「日常的にヨウ素を摂取している集団では、放射性ヨウ素の甲状腺への蓄積が低く抑えられる（日本の環境省）」と説明している。