1MDB問題 多額の現金を飛行機で世界へ
2018.09.14 政治・社会政府系投資ファンド1MDB問題に絡み、汚職摘発庁(MACC)は先に対外諜報庁(MEIO)のハサナ前長官を逮捕した。事情聴取をするなかで、MEIO職員などが1MDBの資金約200億リンギ相当の外国紙幣を現金で運搬していたもようだ。
英語紙『ニュー・ストレーツ・タイムズ』によると、1MDBでなくなった資金は複数国に流れた。ただ、銀行などを通じて多額の送金をすると米国当局が感知するため、現金で各地に持ち出されたと消息筋の話として伝えた。少なくとも100万リンギ相当の米国紙幣が今年4月末にクアラルンプール国際空港(KLIA)から手荷物の検査が行われない要人レーンを使って流出したと当局はみている。世界各地に散らばるMEIO職員も関与していたとみて、今後MACCは職員の事情聴取も行う。
これに関連し、アンソニー・ローク運輸相は空港での要人検査を徹底するよう関係機関に指示。前政権下では要人の手荷物検査などはほとんどされなかったという。このため、既存の規定に沿って要人でも徹底した検査を行うよう強く求めた。(Mtown)