ナジブ前首相 サウジからの献金証拠を公開
2018.09.24 政治・社会政府系ファンド「1MDB」をめぐる資金不正流用疑惑で、逮捕・起訴されたナジブ前首相は10日、個人口座に振り込まれた資金が「サウジアラビアの王族からの寄付だった」証拠をソーシャルメディア上で公開した。
寄付したのは2015年に亡くなったアブドゥラ・アブドゥラジズ国王。寄付の総額は26億リンギにのぼる。公開された文書は3枚で、2011年2月1日付の寄付金を送付した認定書、同年2月24日と11月25日の振込書。
同氏は、中東で政変が起こったことを同国国王は危惧し、イスラムの国であるマレーシアでも同様の政変が起きることを懸念して寄付してくれたと説明。当時は国際石油価格も高騰していたことから同国政府も潤滑な資金をもっていたとも付言した。
ただ、同氏はこの時期に公開に踏み切った理由について弁護士らによる銀行からの照会で時間がかかったとしているが、こういった文書を首相であったときになぜ公開できなかったのか疑問が残る。また、これが事実であったとしても、なぜサウジアラビア政府側はこれまでコメントを避けてきたのか、またマレーシア政府側が捜査員を同国に派遣したにもかかわらず、まったく証拠をつかめなかったのか、1MDB問題に関与しているとみられる人物がいまだに逃げ回っているのかなど真相解明にはほど遠い状況だ。(Mtown)