アンワル元副首相 下院補選で圧勝 国政に復帰 首相職に一歩
2018.10.27 政治・社会 ヌグリ・スンビラン州ポートディクソン選挙区の下院議員補選で13日、立候補していた与党・人民正義党(PKR)の指導者アンワル・イブラヒム元副首相が圧勝した。2015年以来の国政復帰で、今後はマハティール首相からの禅譲がいつになるかが焦点となる。
補選では7人が立候補。投票数は3万1016票で、アンワル氏は2万3560票を獲得。野党の国民戦線(BN)は補選をボイコットして立候補を立てず、同じ野党の全マレーシア・イスラム党(PAS)候補を応援したが、7456票にとどまった。また、アンワル氏の元付き人で同性愛行為を受けたと2008年に訴えたモハマド・サイフル氏も立候補したが、わずかに82票だった。
5月の総選挙での同選挙区の投票率は82・8%だったが、今回の補選は58・25%にとどまった。ただ、PKRの得票数は前回を大幅に上回り、現政権を信任する補選ともなった。
この補選はアンワル氏を国政に送り込むため、同選挙区の現職議員が辞任して実施された。
5月の政権交代以来、今回の補選で3回目。与党は全勝している一方で、野党は惨敗を続けている。なかでもBNは下院議員の離党者が相次いでおり、弱体化が進んでいる。(『ニュー・ストレーツ・タイムズ』、『スター』13日付)