シンガポールとの高速鉄道、復活協議開催も-2022/03/16

クアラルンプール・シンガポール高速鉄道（HSR）プロジェクトの復活に向けたシンガポール政府との協議が、2022年第2四半期（4～6月）に開始される公算が高まっている。マレーシアの運輸省は、併せてクアラルンプール～バンコク間を結ぶ高速鉄道についても実現可能性調査（F/S）の着手に向け検討中だという。ASEANでは昨年末、タイ国境に近いラオス領まで中国からの高規格鉄道「中国ラオス鉄道（LCR）」が開通したことで、東南アジアを取り巻く鉄道インフラ向上の流れが一気に高まってきた。
ウィー・カーション運輸相は3月14日、「クアラルンプール・シンガポールHSRプロジェクトについてシンガポール政府と協議を開始する任務を負っているが、協議への準備はまだ初期段階。第2四半期にシンガポールと予備的な協議を行う段取りを進めている」と述べている。
ウィー大臣は、タイとの高速鉄道について「2月25日にイスマイル・サブリ首相がタイでの首脳会談に臨むに当たり、運輸省はクアラルンプール～バンコク間HSRのF/S実施の可能性も探った」と、閣僚答弁を終了後、記者団に述べた。
マレーシア・シンガポールのHSRをめぐっては2021年1月1日、マレーシアが提案したいくつかの変更点について両国が合意に至らず、「HSRプロジェクトは中止」とする共同声明が発表されている。