国防相 インドネシア首都移転で越境犯罪を懸念-2022/03/17
2022.03.17 政治・社会ヒシャムディン上級相兼国防相は3月16日、インドネシアの新首都となるカリマンタン島の「ヌサンタラ」の設立に伴い、越境犯罪が増加する可能性があるとの懸念を示した。
同国は今年1月に新首都移転に関する法案を国会で可決。2045年までに5段階に分けて移転させる予定。今年から2024年までは第1段階で、まずはインフラ設備を整える。
カリマンタン島はボルネオ島のインドネシア側の呼称で、サバ州やサラワク州と隣接する。
同相は経済活性化にもつながるとして歓迎の意を示したものの、「密入国や人身売買、規制品の密輸などの越境犯罪で治安が悪化する可能性がある」と指摘。首都移転にはかなりの時間があることから、「サバ州とサラワク州の国境で越境犯罪防止のための包括的な計画をまとめる時間がある」とも述べた。
両州のインドネシアとの国境沿いには全19カ所に国境管理事務所を年末までに設置し、従来の方法ではなく、ハイテク機器を使った国境の監視・運用能力を高めたい考えを同相は示した。