最低賃金、1,500リンギへの引き上げ決定=5月から-2022/03/20
2022.03.20 政治・社会イスマイル・サブリ首相は3月19日、最低賃金の1,500リンギへの引き上げについて、5月1日に発効すると発表した。なお、現行の最低賃金1,200リンギからの引き上げは、従業員5人以上の民間企業のみが対象となるという。
首相は統一マレー国民組織(UMNO)の総会の席で、最低賃金の引き上げに踏み切った理由について言及。「生活コストが上昇し、それがB40グループ(下位40%の低所得世帯)への圧力となっている」と述べた。その上で「この新しい措置の影響、特に零細・中小企業に対する影響について、綿密に調査した」と説明している。
政府は以前、最低賃金の引き上げについて「今年中には実施」としていた。
一方、Mサラバナン人事相は17日、「最低賃金が施行されれば、雇用者が被用者を解雇して人員を減らすことがないよう、政府がバックアップする」と言及。「最低賃金の適用を免除されるセクターがあるかもしれない」とし、この除外措置への検討の可能性を示唆していた。
また、マレーシア雇用者連盟などの産業団体は、「引き上げ案は、コロナ禍からの回復過程にある企業を殺すことになる」との不満をあらわにしている。