サイフディン外相は5月17日、プトラジャヤにある外務省公館で、日本財団会長でミャンマー国民和解担当日本政府代表を務める笹川陽平氏と面談した。
外相は自身のツイッターで、「笹川氏と会談中、ミャンマーの最近の情勢について情報交換し、すべての当事者が市民の安全を確保するために停戦を守ることの重要性など、いくつかの重要な点について合意した」と明らかにした。
笹川氏は会談で、「5点合意の実施と、平和と民主主義の回復に向けたミャンマー国内のすべての関係者の関与において、ASEANを支援する用意がある」と話したという。
外相と笹川氏はミャンマーに関する議論の中で、「国際的な参加を呼びかけ、人道的な回廊を作ることによって人道支援を強化することが緊急課題である」との認識で一致したという。
昨年4月24日にジャカルタで開催されたASEAN首脳会議の際、ASEANの各国首脳が採択したミャンマーに関する5点合意とは、「暴力の終結、関係者との建設的な議論の実施、ASEANによるミャンマーへの人道支援、交渉を行うASEAN特使の任命、特使のミャンマー訪問の許可」となっている。
人権団体「政治犯支援協会(ビルマ)」によると、2021年2月1日のクーデター以降、少なくとも1800人の民間人が殺害された一方、1万人以上が逮捕され、1000人近くが収監されたという。
一方、サイフディン外相は先にワシントンで開かれた米国・ASEANサミットの際、民主化勢力により樹立された国民統一政府(NUG)で外交を担当するジン・マー・アウン(Zin Mar Aung)氏と会談した。
マレーシアは、NUGの”高官”と会談した初のASEANの国となる。
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