ズライダ大臣はいまだ辞任せず 政局の可能性も
2022.06.23 政治・社会ズライダ・カマルディン・プランテーション商品相が与党・統一党からの離党を表明してから約1か月。同相はいまだ辞任していない。
イスマイル・サブリ首相と会談後に辞任するとこれまでに語っているが、肝心の会談が実現しておらず、首相は苦慮しているようだ。
統一党のムヒディン党首(前首相)は6月22日に首相は早く会談して後任を決定すべきだと急かした。
同党首はすでに首相に対して後任推薦名簿を提出しており、あとは首相が決めるのみとなっている。
しかし、首相の統一マレー人国民組織(UMNO)はこの閣僚職を獲得することを目論んでおり、同党副総裁である首相は同党内でも圧力を受けているようだ。
同党のヌル・ジャズラン・ジョホール副支部長は「首相の立場が弱体化している証拠」とも指摘。ズライダ大臣が入党するマレーシア国民党(PBM)にはほかに2人の下院議員がおり、統一党議員に後任を渡した場合、PBMは離反して下院での首相への支持議員数が過半数を下回る可能性があることも説明した。
当のズライダ大臣は「自分が始めたプログラムを終わらせるため、ポストを維持させたい」とラブコール。
首相は同相の職を維持させた場合、今度は統一党が首相支持を撤回して一気に政権崩壊になる可能性が高く、政局になりかねない状況だ。