警察 ハジ巡礼旅行会社の5人を逮捕
2022.07.12 政治・社会 クアラルンプール国際空港(KLIA)で7月7日朝に旅行会社に騙されたハジ巡礼者約380人が足止めとなった事件で、スランゴール州警察は8日、旅行会社の5人を逮捕した。政府も神聖な巡礼を食い物にしていたことを憂慮し、観光・芸術文化省は同日に「支払った金額の返金と旅券を返還させる」と表明した。
逮捕されたのは28歳から50歳の男女。うち1人は旅行会社のオーナーだという。8日までに57件の被害届が出ていた。
この事件の被害者は、国のハジ巡礼積立基金を介さずに「私的ハジ巡礼ビザ」で巡礼に行く予定だった人たち。
旅行会社は7日午後4時半に出発するフライトを全員に伝えていたが、午後7時に延期すると通告。しかし、参加者の1人が調べたところ、サウジアラビアのジェッダ行きの最終便は午後6時になっており不審を抱き始めた。
そもそも本来のフライトは5日に予定されていたが、「書類不備のため」と旅行会社が知らせてきたため、7日に延期されてしまったのだという。トレンガヌ州から参加した参加者は約8万リンギを払い込んだ。
参加者のいずれも旅券を預けており、航空券や査証も見せられていないと主張。ハジ巡礼を扱う旅行会社を信用していたため、「任せておいた」とも参加者は何も聞かなかった理由を説明した。
参加者の1人は「この苦境は運命であり、神からの試練だ」と述べて諦めていた。