与党連立の国民連盟 政権離脱の可能性も
2022.08.08 政治・社会与党の一つである「国民連盟」(PN)が連立政権を離脱する可能性が出てきた。4日午後に同党が所属するPNのメンバーとイスマイル・サブリ首相の会談予定が入っていたが、首相側が突然キャンセルしたという。PN幹部らの怒りは頂点に向かいつつある。
首相は昨年8月の就任直前にPNと覚書を交わしたとされる。覚書ではPNから副首相を指名することになっていたが、現在まで実施されていない。このため、PN幹部は会談で副首相の指名を迫ろうとしていた。
この会談ではPNを構成するプリブミ統一党からハムザ内相、アズミン・アリ通産相、全マレーシア・イスラム党(PAS)のタキユディン・エネルギー天然資源相、アフマド・サムスリ・トレンガヌ州首相が参加する予定だった。
PN内部では「覚書の履行を拒否し続ける場合は政権離脱もありえる」と声を荒らげている。2日の統一党の最高評議会ではこの会談で首相を説得できない場合は政権離脱で概ね合意がされたという。
首相の今後の言動次第では政権崩壊を招き兼ねない事態にまで来ているようだ。ただ、首相は連立離脱の声はPNの正式な決定ではないとして静観する構えだ。
なお、統一党の下院の議席は23議席、PASは17議席。PNを形成する両党で40議席に達する。現政権は首相支持派が116議席とみられており、定数222議席の半分のぎりぎりで成り立っている。