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首相就任1年 政権崩壊も予想していた

首相就任1年 政権崩壊も予想していた

2022.08.22 政治・社会
イスマイル・サブリ首相が第9代首相として就任してから8月21日で1年が経った。首相はこの1年を「政権がいつ崩壊してもおかしくない状態だった」と振り返った。
下院議会でムヒディン前首相の支持数が過半数を割ってしまったため、政権が崩壊。代わりにイスマイル首相が就任したが、当初本人はまったく予期していなかったとも振り返る。
首相は「当時、国は不確実性と不安定さに包まれており、議員が政党を転々とするため、政権はいつ崩壊してもおかしくなかった」とも回想した。ただ、その予想は当たらず、1年が経過したことに安堵しているようだ。
この1年の首相の実績をみると、下院議員の任期中の政党移動を禁じる法案の成立や1963年マレーシア協定の改定、マレーシア国内のインフレ率の抑え込み、国民融合政策「クルアルガ・マレーシア」などが挙げられる。
首相は就任直後に野党と一部政策で協定を結び、また首相の所属政党、統一マレー人国民組織(UMNO)内部の抵抗勢力も抑え込み、安定した運営をしてきた。
2023年8月には下院議員の任期が切れることから、1年以内には選挙を実施する。政府は「支援」の名の下で予算のバラマキをこれまで行い、野党勢力がばらばらであることも相まって、与党が圧勝するとの見方が有力だ。
次期総選挙で与党が勝利した場合、首相の長期政権も視野に入る。ただ、UMNO内部のナジブ元首相派との折り合いをどうつけるかが焦点の一つになる可能性がある。首相はこれまで元首相の裁判については政治的な介入をしておらずこれは一部専門家の間で司法の独立性を維持させていると称賛の声が上がる。ナジブ氏は近く自身の汚職容疑で連邦裁判所で判決が下るが、有罪となった場合、首相がどう対応するかも注目される。
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