ナジブ元首相の有罪が確定 連邦裁が控訴裁の判決を支持
2022.08.23 政治・社会政府系ファンド「1MDB」の子会社SRCインターナショナル社の資金不正流用事件で起訴されていたナジブ元首相に対し、連邦裁判所は8月23日午後、控訴裁判所の判決を支持する判決を下した。
これにより、元首相に対する禁固12年と罰金2億1000万リンギの刑が確定した。
元首相は近く収監される。
首相経験者で収監されるのはマレーシア史上初めてとなる。
80人以上の証人が出廷して審理された高等裁判所は2020年7月に上記の判決を下したが、元首相は控訴した。
控訴裁判所は2021年12月に高裁の判決を支持。元首相はさらに日本の最高裁判所となる連邦裁判所に上訴していた。
この事件は同社の4200万リンギが不正に流用されたもので、元首相は容疑者として2018年に逮捕された。
高裁や控訴裁、連邦裁での公判は新型コロナウイルスとの闘いでもあった。元首相の弁護士らを含む関係者が相次いで感染して審理に時間がかかった。
連邦裁は今月15日に結審に入ったが、元首相側は直前に弁護士団を総入れ替え。2か月の準備期間を求めたが、裁判所側は認めなかった。
さらに、「新しい証拠が出た」と主張して元首相は提出しようとしたが、連邦裁側はこれも却下していた。
当初、結審最終日の今月26日に判決が下りると見られていたが、23日に繰り上げられた。
元首相の有罪が確定したことにより、次期総選挙には立候補できなくなった。