ナジブ元首相　刑務所に収監される

政府系ファンド1MDB関連の不正流用事件で連邦裁判所で有罪が確定したナジブ元首相（69）が8月23日夕方にスランゴール州カジャン刑務所に収監された。
連邦裁では同日午後に2020年7月に高等裁判所で下された禁固12年、罰金2億1000リンギ（約64億円）の判決を支持していた。
当初、同州のスンガイ・ブロー刑務所に収監される見通しだったが、変更されたもようだ。
収監された午後7時前に周辺一帯は厳しい警備が敷かれた。
元首相はこの日、連邦裁判所への声明で「公正な裁判ではなかった」と述べ、これまでの経緯を述べたうえで裁判判事らを批判した。
元首相の禁固刑は12年だが、マレーシアでは首相の国王への助言により恩赦が出されて、短期間で出てくることも可能だ。
2018年に当時のマハティール首相が、収監されていた人民正義党（PKR）のアンワル・イブラヒム総裁を恩赦で釈放して、政治的に復帰させた経緯がある。
ただ、マハティール氏は先に、首相による恩赦の助言があっても「恩赦の可能性は50％だ」と述べた。
国王の判断で政治に復帰できる可能性があり、首相職への復帰をナジブ元首相は望んでいるとも改めて指摘した。