新首相のアンワル氏とはどんな人物か
2022.11.25 政治・社会首相に就任したアンワル・イブラヒム氏(Dato' Seri Utama Haji Anwar bin Ibrahim)とはどんな人物なのだろうか。
イスラム教青年組織のリーダーを務めたのち、1981年にBNを構成する主要政党の統一マレー国民組織(UMNO)に入党。当時のマハティール内閣に閣僚として、文化青年スポーツ相、農業相、教育相、財務相などを務めたのち、1993年には副首相となった。
かねて、「マハティールの有力な後継者」とみられていたが、1997年に起きたアジア通貨危機への対応がまずかったことに加え、縁故主義打破を目指した改革が当時のマハティール首相の怒りを買い、1998年9月に副首相から解任。さらには、同性愛容疑で逮捕・投獄され、合計9年に及び服役する運命に遭う。アンワル氏が服役中は人民正義党(KEADILAN、後のPKR)を結成。華人系野党の民主行動党(DAP)などと組み、野党連合PHを結成。2018年5月に行われた前回の第14回総選挙では、「BN潰し」を旗印に敵対関係にあったマハティール氏と共闘。独立後初となる政権交代を果たした。
選挙後、アンワル氏は国王の恩赦を受けて釈放。政権交代を経て90歳を超える高齢で首相として再登板したマハティール氏から「首相を禅譲する」と言われつつも、実現せぬままだった。PHがようやく総選挙で最大議席を獲得。ついに首相の座へと上り詰めた。