頭脳流出はマレーシアに利益をもたらす＝副首相

ファディラ・ユソフ副首相（兼農業・商品相）は2月8日、マレーシアから優秀な人材が国外に出て行ってしまっている「頭脳流出」現象について、これらの人々による自国への知識や経験の還元を期待するとの考えを示した。
副首相は、「彼らの専門知識から恩恵を受けることができる」とし、ただ流出を見守るのではなく「別の角度から見る必要がある」と述べている。
頭脳流出の要因として他国の研究分野と充実した設備が挙げられるとし、米国のシリコンバレーなどの支援サービスによって専門性と潜在能力が高められると述べた。
頭脳流出とは、高度な知識や技術を有した人材が多数流出してしまう現象を指す。マレーシアでは、特に科学技術分野において、環境を整える「バリューチェーン」自体がないため、多くの人が他国に移ってしまう。
副首相は8日にインドネシアを訪問し、「海外に出た国民がどのように国に貢献できるかなど別の視点で注視する必要があり、国としてそのための宣言が必要だ。マレーシアと彼らが住む国との間に緊密な関係を築くことはもちろん、彼らの研究成果から得られる利益をマレーシアで活用することができる」と、インドネシアに住むマレーシア人との夕食会の後で述べた。