保健省のノール・ヒシャム事務次官(衛生総監)は1月7日、自身のツイッターで新型コロナウイルスの感染モデルを公開した。
それによると、SEIRモデル(※)を使って、
実効再生産数(R 0=アールノート)が1.10と1.20になった時のシナリオをそれぞれ紹介した。
現在の実効再生産数は1.10だが、この状況がそのまま続くシナリオでは、1日当たりの感染者数が2月13日には3000人に達し、4月3日には5000人、5月29日には8000人に達する。
これが1.20に上昇するシナリオでは、3月13日には8000人、4月までに1万人に達する可能性もあるとしている。
保健省は0.50まで下げる目標を掲げているが、同事務次官は今後も感染者数は増える恐れがあるとして憂慮を示している。
※ SEIRモデルとは……免疫をもたない者(Susceptible)、感染して潜伏期間中の者 (Exposed)、発症者(Infectious)、回復者(免疫獲得者=Recovered)という順番に人が遷移していく過程を常微分方程式でモデル化したもの。日本で「8割おじさん」と呼ばれる西浦博氏も同様の感染モデルを用いて、現在の首都圏1都3県に発出されている「緊急事態宣言」における感染者減少に向けた課題を説明している。