＊週末の読み物＊ミャンマー人「不法移民」、国軍と合意し送還を実施-2021/02/28

マレーシア政府は２月23日、ミャンマー人「不法移民」約１１００人を本国に送還した。
マレーシア入管局はこのミャンマー人らをめぐり、「難民登録の証明書やパスポートの類の身分証明書を持っていない」として退去処分を決定。収容所に拘束していたミャンマー人らをマレーシア西岸でミャンマー側が派遣した船に引き渡した。なおこの中に、ミャンマーで居住地を追われるなど迫害されているイスラム教徒の少数民族ロヒンギャは含まれていないとしている。
ミャンマーでは２月１日、国軍がクーデターを起こし、混乱が続いている。今回の引き渡しに当たっては、マレーシア政府がクーデターを起こしたミャンマーの国軍との間で同意に達したという。
ミャンマー国軍が民主化への流れを踏みにじっている中、国連難民高等弁務官事務所（ＵＮＨＣＲ）や人権団体は「送還は人命を危険にさらす」と非難したが、そのまま実行された格好となった。
ミャンマーでは国軍が民主化デモを進める一般市民に向け発砲するなど混乱が続いている。そうした中、東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）はミャンマー情勢を話し合うため、３月２日に特別外相会議を開催する方向で調整を進めている。果たしてどんな形での結論が導かれるだろうか。