政権離脱？　UMNO所属議員の大半が政権支持か-2021/07/09

与党の一つ、統一マレー人国民組織（UMNO）の最高執行協議会で与党連立の国民連盟（PN）からの脱退を7月7日夜に正式決定したとアフマド・ザヒド総裁が表明したことで同党所属の議員らに混乱が起きている。
同総裁は同日夜にPNからの脱退理由を説明。昨年3月11日にムヒディン首相と取り決めた内容を順守していないと批判した。その内容とは国民の願望を実現すること、経済不況を早急に回復させ、新型コロナウイルスの効果的な感染防止策の策定といったもの。さらに、非常事態宣言を政治的に悪用し、議会制民主主義を守っていないことも連立政権からの離脱理由として挙げた。そのうえで首相に対して辞任を強く求めた。
これに対して、同党所属のアニュアル・ムサ連邦直轄区相は8日、UMNOの決定に疑念を呈し、同総裁に説明を求めた。同総裁がソーシャルメディア上に掲載したビデオ声明についても「昨夜の協議会の前に録画された可能性がある」と述べた。同相が同協議会のメンバー25人に聞いたところ、「PNからの脱退は決めていない」とも答えたという。
また、モハマド・ナズリ前観光相は、同党所属の下院議員38人中32人はPNを支持しているとも表明。「総裁のほか、ナジブ元首相ら数人が政権離脱を望んでいるだけ」と一蹴した。さらに、「首相が副首相をイスマイル・サブリ氏を指名したからそういう声明を出したのだろう」とも推測した。その上で、「党が連立政権を脱退するのであれば、議員32人を除名処分にすればいい」とも話し、現政権を支持すると改めて表明した。