ムヒディン首相　きょうにも辞任へ-2021/08/16

ムヒディン首相はきょうにも辞任する見通しだ。首相への支持が下院で過半数を下回ったためで、アブドゥラ国王と謁見後に辞任を表明するもようだ。
モハマド・レズアン首相府相（特任）によると、首相は国王にはすでに辞意を表明している。同相は「辞任を受理するかどうかは国王次第だ」と8月15日に説明した。
同相はまた、与党である統一マレー人国民組織（UMNO）の一部が首相に圧力をかけていたためで、「パンデミックの状況下で政治的駆け引きのために国家と国民に影響を与えており、誠に腹立たしい」と批判。この一部の人たちに対しては国民に説明するよう求めた。
同相はさらに、首相が辞任した後のことについて「昨年と同じ状況になる可能性がある」とも指摘。昨年は当時のマハティール首相が辞任を表明した後に一部議員が造反して現政権を成立させた。そのため、同相は「次の総選挙があるまでは短命政権になる可能性もある」とも述べた。　
ムヒディン首相はマハティール前首相が辞任を表明した後の昨年3月1日に就任。その頃から国内での新型コロナウイルスの感染拡大が始まり、同月16日には「活動制限令（MCO）」を発令すると発表した。以後は感染防止に腐心し、緊急経済対策を7回打ち出した。
また、UMNO所属のナズリ元観光相は次期首相にイスマイル・サブリ副首相兼国防相を支持する宣誓書をすでに作成したと述べた。
同首相が辞任すると、1人の首相としてはマレーシア史上、最短の政権となる。