ナジブ氏　裁判に出廷せず判事が激怒-2021/08/20

政府系ファンド1MDBの資金不正流用などの罪に問われているナジブ元首相が8月19日午前、予定されていた裁判に出廷しなかった。このため、高裁のコリン判事が激怒する場面があった。
弁護士によると、ナジブ元首相は前日夜に次期首相に関する裁定のため、他の議員113人と王宮で国王に謁見することが決まった。
裁判は午前9時30分に予定され、判事が法廷内に入り、ナジブ元首相の弁護士が出廷できない理由を説明。午前10時半に議員らは集まって王宮に向かうと話した。
これに対し、同判事は「被告人は王宮に行く前に出廷する礼儀を持つべきだった」と述べた後、「報道によると、議員は集団で国王と会うことになっている。被告人は何時から何時まで国王と会うことになっているんですか！　1日王宮にいるわけではないですよね？　謁見が終わった後は出廷してもらわないと困ります」と苛立った様子で弁護士に詰問した。
慌てた弁護士はナジブ元首相に電話した後、「何時になるかわからない」と判事に伝えると判事は「何時になったら来られるのかわかったら知らせなさい！」と言って休廷に入った。なお、高裁は王宮の目と鼻の先にある。
裁判は午後2時半に再開され、ナジブ元首相も出廷したようで、午後4時まで続けられた。
この裁判は新型コロナウイルスの感染拡大のため、何度も延期されており、裁判所側も集中して公判ができないことに苛立っているようだ。