新生児売買容疑で逮捕 クリニックの家宅捜査
2016.12.09 政治・社会マレーシア国家警察の反人身売買・反密輸局は11月30日、スランゴール州とヌゲリ・スンビラン州のクリニック7カ所を新生児売買の疑いで家宅捜査した。医師を含めた3人を逮捕した。
逮捕者は出ていないが、クリニック職員らに関係文書の提出を命じた。家宅捜査を受けたクリニックはスランゴール州クランやプチョン、セパンなどの産婦人科クリニックや一般クリニック。
マレーシアでの新生児の人身売買については11月24日に中東系テレビ「アルジャジーラ」が25分間のドキュメンタリー番組を放映。4カ月にわたる取材で、風俗業で働くインドネシア人女性ら70人以上が出産した後に医師や政府職員が出生証明書などを偽造して人身売買しているというものだった。買い手は出産前に母親の写真を見て選び、新生児は1人あたり1500~2500米ドルで売られていたという衝撃的な番組で、警察は番組放映後にテレビ局関係者から事情聴取。それに基づいて今回の家宅捜査となった。
マレーシア国家警察のカリド長官は新生児売買が国内でこれまでにも行われてきたことを否定はしなかったが、人身売買の拠点になっていると番組で指摘されたことに対しては明確に否定。警察は人身売買についても監視を続けていくとした。(Mtown)