建設業者の安全管理に重大懸念=DOSH
2016.12.23 政治・社会労働公衆衛生局(DOSH)のモフタル・ムスリ局長はこのほど、相次ぐ建設現場での事故発生について、建設業者が安全管理に十分配慮していないことが原因として、重大な懸念を示した。
同局長は「建設業者の安全管理責任者は、安全に十分配慮すべきだ」と苦言。同じ工事現場に何度監査してもヘルメットの無着用や破れた安全ネットの使用など安全基準に従っていないケースが多いと指摘。保守点検されていない重機の使用や労働者への安全器具の未提供など、DOSHは昨年20件以上の違反を摘発し、過料額は60万リンギ以上に上っている。
建設現場での事故は今年8月以降に相次いでいる。クアラルンプール・ブキビンタン地区でクレーンのフックが落下して自動車に直撃して運転手が死亡する事故が今年8月に発生。10月にはツインタワー近くのコンドミニアムに隣接する工事現場で鉄棒が自動車に直撃。また、11月にはスランゴール州クランで杭打機が走行中の自動車に倒れ、乗車していた2人が死亡する事故も起きた。12月にはクアラルンプール・バンサー地区で建設中の歩道橋が崩落して建設労働者6人が死傷するなどしている。
全国の建設現場は現在、1万6800カ所に達しており、建設ラッシュが続いている。建設現場の安全管理を監査するDOSHの職員数はこれを下回っており、すべての建設現場を監査しきれていないのも実情のようだ。(Mtown)