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【クアラルンプール、ソウル、マカオ共同】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏(45)がマレーシアで殺害された事件で、マレーシア警察は16日、2人目の女の容疑者を逮捕したと発表した。インドネシアの旅券を所持していた。2人の関係や犯行に使われた毒物などを引き続き調べる。韓国政府関係者は猛毒の神経剤VXが使われた可能性があると述べた。マレーシアのザヒド副首相は16日、北朝鮮の現地大使館も遺体を正男氏と確認したと発表した。
15日に逮捕された女は「ドアン・ティ・フオン」名義のベトナム旅券を所持。マレーシア紙、東方日報によると、女は男4人から「悪ふざけをしよう」と持ち掛けられ、別の女と2人で正男氏を襲ったと供述している。女らは正男氏にスプレーを吹きかけ、毒物を吐き出さないようにハンカチで顔を短時間押さえたという。
韓国政府関係者は、VX以外の可能性もあり、マレーシア当局による司法解剖の最終結果を待つ必要があるとした。
16日逮捕された女のインドネシアの旅券の名義は「シティ・アイシャ」。空港の防犯カメラの映像から割り出され、逮捕時は1人だった。警察は15日夜にはこの女と交際するマレーシア人の男を拘束した。
ザヒド氏は遺体について、全ての手続きを終了後、北朝鮮の大使館を通じて近親者に引き渡す意向も示した。マレーシア当局は15日に遺体を司法解剖したが、死因は特定できていないという。
一方、正男氏が生前、拠点の一つであるマカオの友人に「弟が私を殺そうとしている」と、正恩氏への恐怖を何度も口にしていたことが地元メディア報道で判明した。正男氏は「(正恩氏への)3代世襲を行うべきではない」と話していた。
韓国情報機関、国家情報院が国会に、正恩氏が正男氏について「やってしまえ。嫌いだ。除去しろ」と殺害を指示したと報告したことも分かった。15日の非公開委員会で李炳浩国情院長が述べた内容として、野党議員がラジオインタビューで明らかにした。正恩氏を頂点とする統治体制の否定と受け取れる言動が、北朝鮮の怒りを買った可能性がある。