北朝鮮へ遺体搬送の選択も マレーシア方針に親族同意
2017.04.05 政治・社会【クアラルンプール共同】マレーシア警察のノール・ラシド・イブラヒム副長官は16日の記者会見で、北朝鮮の金正男氏殺害事件に関連し「マレーシア政府が遺体の取り扱いを決めることに(正男氏の)親族が同意した」と述べた。
マレーシア政府はこれまで、親族へ遺体を引き渡すことを最優先にしてきたが、副長官の発言は、親族が遺体の引き取りを希望しておらず、北朝鮮へ引き渡す選択肢もあり得ることを示唆している。
マレーシアと北朝鮮は、双方が自国にいる相手国国民の出国を禁止した措置の解除や、遺体の搬送などを巡り13日から協議を開始。北朝鮮に足止めされているマレーシア大使館員ら計9人の出国と遺体の北朝鮮への引き渡しを交換条件に協議している可能性もある。
一方、マレーシア警察のカリド長官は16日、事件直後にマレーシアから出国した北朝鮮国籍の4容疑者について、国際刑事警察機構(ICPO)が加盟各国に身柄拘束の協力を求める「国際逮捕手配書」(赤手配書)を発行したことを明らかにした。これまでは4容疑者の所在や身分確認などの情報を求める「青手配」だった。