正男氏殺害で新たな男浮上 北朝鮮国籍、他に数人も
2017.04.06 政治・社会【クアラルンプール共同】北朝鮮の金正男氏殺害事件で、新たに北朝鮮国籍の男が犯行に関与していた疑いが浮上した。複数の関係者が18日までに明らかにした。指名手配中の容疑者ら7人やこの男の他にも北朝鮮人が数人関わったとの見方があり、マレーシア警察や関係国が情報収集を進めている。
関係者によると、男は30代のチャン・ナムウン氏。北朝鮮の治安組織、国家保衛省出身のオ・ジョンギル容疑者=指名手配=と共に、平壌からウラジオストク、モスクワ、バンコク、プノンペンを経て2月7日にクアラルンプールに入った。
マレーシア紙ニュー・ストレーツ・タイムズによると、同13日の事件当日、クアラルンプール国際空港の監視カメラにチャン氏と別の男が写っていた。チャン氏は襲撃が成功するか近くで監視。別の男は空港の診療所に向かう正男氏の後方を歩くなど、様子を確認するような動きをしていた。
関係者によると、チャン氏は事件直後、オ容疑者と共に往路と逆のルートで平壌に向かったとみられる。チャン氏についてはマレーシア警察の情報を基に日韓の情報当局も存在を把握。当局者の一人は「さらに数人が事件を支援し、北朝鮮人は全体で10人ほどが関与している可能性がある」との見方を示した。
事件では、マレーシア警察が北朝鮮に帰国したとみられるオ容疑者ら4人を指名手配、在マレーシア北朝鮮大使館の2等書記官ら3人に事情聴取を要請しているが、北朝鮮側は反発している。